ステップ1
キャブの基本
 

まず、ガソリンが燃えるには空気が必要です。(厳密には空気中の酸素)
そしてガソリンが最も効率よく燃焼する割合というものがあり、これを理想空燃費と言います。

14.7(空気):1(燃料) で理論上は完全燃焼するとされています。

コンピューター制御の乗用車では常にこの値に近づくよう細かくインジェクターを制御しているのですが、
カートのキャブにおいてはそのような細かな制御は不可能です。
ローニードルとハイニードルの2つしか調整する箇所がなく、しかも手動ですので。

ですから一番パワーの欲しいタイミングで効率よくエンジンが回るようにキャブを調整する必要があるのです。

ここで覚えておいて欲しいのが「適切な燃料を送る」ということです。
濃すぎても、薄すぎてもダメです。

そのためには現在の状態が濃いのか?薄いのか?を判断する必要があります。


加速時にブベベベという音がしてマフラーから白煙が出ているようなら明かに濃い。
マフラーのジャバラやエンドキャップから黒い汁が出ているのも濃い証拠。
プラグも真っ黒、もしくは濡れているハズです。

逆に薄い場合、ブベベベという音はしないのだけど、ある特定の回転で息継ぎをしたり失速したりします。
ただ、燃料が薄い場合、混合オイルの抵抗が減るので軽く回転が上がっていく場合があります。
音は、ヴィィィィンではなくキィィィィンというカン高い音になります。
気持ちよく高回転まで回るので調子が良いと錯覚しがちなので注意すること。
得てしてこんな場合はトルクが細くなります。プラグは真っ白。
エンジンの焼き付きと紙一重なので危険。

誤解を恐れず書くと、「キャブを絞るとパワーが出る」わけではありません。
キャブを絞った結果、適正な燃料噴射量になったからフケ上がるようになるのです。

確かに、絞ったらフケるようになる状況は多々あります。
しかしそれを 絞る=フケる と勘違いしてはいけません。


次のステップでも説明しますが、カートにおいて燃料は薄めより濃いめの方が良い結果を出すことが多いようです。
理想空燃費よりちょっとだけ濃い状態がベストです。