タイヤの使い方
その2
図のAのポイントが、ブレーキ80+旋回20=100のポイント。
この円の中がグリップしている範囲で、円の外はタイヤのグリップ力を越えたポイントです。
つまりはタイヤが滑り出すポイントです。
この円の中でタイヤのグリップ力を100%発揮してコーナリングすれば速いはずです。
ホントにそう?
いえいえ、100%では足りません。
120%使わなきゃ!
そのためには荷重移動です。
ブレーキをすれば、いや、その前にアクセルを緩めるだけでカートはフロント荷重となります。
フロントタイヤを押さえつけることによりもう少し上のグリップを引き出すことができます。
積極的に加重移動させてフロントタイヤを使い切りましょう。
ブレーキ100+旋回20=120 この状態は自分で作り出すことができます。
具体的には強く短いブレーキ、フロントに荷重が乗ってることを意識してハンドル、
リアに荷重が移動するのを感じながらアクセルです。
制動 → 操舵 → 加速
この3つがバランス良く連携するとどんどんリズムに乗れてきます。
強く短いブレーキをすると、ハンドルがよく効きます。
早く向きを変えてしまえばアクセルを早く開けられます。
アクセルを早く開ければリアに荷重が移動するのも早い
しっかりリア荷重となっていればリアが滑りにくい。
早くからアクセルを開けているのでコーナー出口の速度も乗る。
いいことづくめです。
ダメなコーナリングはこんな感じ。
弱く長いブレーキ(もしくはアクセルオフで惰性で走行)をする。
フロントに荷重が乗らないのでアンダーが出る。
なかなか向きが変わらずアクセルが踏めない。
アクセルオンできるタイミングがかなり遅いので出口で速度が乗らない。
もしくは無理にアクセルオンしてリアが滑り出す。
こっちは悪循環です。
要は、「メリハリのある走りをしなさいよ」って事です。
「タイヤを縦に使う」とも言いますね。
タイヤは転がってナンボ。縦に使ってナンボです。
前荷重をかけるとフロントタイヤにかかる重さが増すので、それだけでグリップ力が増します。
さらにはタイヤが潰れるので接地面積も増えます。
これがグリップ力を120%引き出す、「タイヤを縦に使う」です。
ダメコーナリングの例ではタイヤのグリップは横方向に使われています。
横方向にも当然グリップはしますが、縦で使えたほどのグリップ力は発揮できません。
さらには強烈な横Gでタイヤは「ヨレ」ます。
横にヨレたタイヤは横に滑らないように耐えることが精一杯でアクセルオンできません。
これが「タイヤを横に使う」です。
コースの形状やセッティングにもよりますので一概には言えませんが、タイヤは縦に使った方がタイムがでます。
だってカートは前に進めなきゃね。
タイヤのグリップの話でしたが結局は荷重移動の話になってしまいました(笑)
実際のレースでは空気圧の変化によりグリップ力は一周走行する毎に変わってきます。
その中で最大のグリップ力を使うことが大事です。
タイヤの声を聞くとも言いますが、その時のグリップ状態はどうなのか?
しっかり把握することが最も大事です。
積み重ねの練習でカートの動きを読みとるセンサーを養ってください。
タイヤの状態を正確に把握できていれば限界グリップを引き出す事も容易なはずです。
どんどん使ってどんどん捨てていくタイヤですが、
一度冷静に自分のタイヤの使い方を見直してみてはいかがでしょうか?
タイヤは無言の声を発していますよ。