ネットオークション詐欺


このホームページをご覧の皆様は当然ながらネット環境をお持ちだと思います。
一度はヤフオク等に代表されるネットオークションに興味を持たれたことがあるはずです。
または頻繁にご利用になっていらっしゃるかもしれませんね。

今回の話題はそのネットオークションの詐欺事件です。
残念ながら当社のお客様が被害に遭ってしまったのです。
今後の啓発もこめて事の経緯をご紹介いたします。

事の始まりは当社のお客様で川崎様(仮名)という方からのご依頼でした。
「ヤフオクで車検切れの車を買ったので、整備と登録をお願いしたい」とのこと。

聞けばナンバーも付いていないそうなので、川崎様の自宅に車を送ってもらうより、
当社に送ってもらった方がいいと思いましたので、車の配送場所は当社にしてもらいました。
書類やお金のやりとりは本人同士でやってもらい、必要書類が到着次第、
当社に持ってきてもらうという流れにいたしました。

ウチは車が届くまで何もする事がないので待っておりましたが、予定日をすぎても車が届きません。
私は出品者の情報を知りませんので川崎様に問い合わせをするよう催促。

予定日を過ぎること1週間。出品者の都合で遅れているとの返事あり。
(すでに車両代金は振り込み済み)

さらに1週間。まだ届きません。いよいよマズイなと感じましたので川崎様にアドバイス。
「出品者に強く催促しなさい。最悪のケースの場合を考えて行動して」

さらに1週間。予定日より遅れること3週間。川崎様から電話があり、
「出品者と連絡が取れなくなってしまった。どうしよう・・・」

あ−あ、やっぱりですか・・・

どう考えても詐欺です。



ネットオークションと格好良い響きですが、平たく言えば「個人売買」です。
しかも見ず知らずの他人との取引です。すべては自己責任です。
車の登録書類は数点あり、そのどれかに不備があると登録すらできません。
県外からの購入の場合ですと当然ナンバー変更が必要ですし、
さらに税金の還付や税止め処理などの作業も必要。簡単にできますか?

誤解を恐れずに書きますと、ネットで個人から車を購入するのは大変キケンです。
例えば・・・

○ 事故車や水没車だった。
○ メーター改竄車だった。
○ 車は届いたが車類に不備があり名義変更できない。
○ 盗難車だった。

など・・・

相手が個人の場合クレームを付けてもお金が返って来る可能性は皆無です。
私のような自動車販売を生業としている人間は、社屋も看板もありますし、
上記のような車は絶対に販売いたしません。逃げも隠れもできませんから。
ですが個人で多少の知識があればやりたい放題なんですよ。



さて、すこし話がずれましたが本題です。
私も当初から細かくアドバイスをすれば被害を防げたのかもしれませんが、
話が来た時点ですでに落札済み、しかも整備と登録だけの依頼。
そりゃ力も入りませんって。
洋服の青山で買ったズボンを紳士服のアオキで裾直しするようなものですよ。

ともあれ、この段階で突き放す訳にもいきませんので今後の対策を練ります。
振り込んだお金の回収はたぶん無理だと思うので、
ヤフオクのオークション補償の段取りを勧めようと思います。

事の経緯を詳しく聞くと・・・

○ 実はヤフオクじゃなくauのモバイオクだった。
   ヤフオク補償使えない!
   携帯の写真で車買っちゃったの?!

○ 半額だけ振り込んで後は車が来てから半額振り込む予定だった。
   まっとうな出品者なら全額振り込めって言うでしょ。
   だまし取るつもりだから半額でいいとか言うんだよ。

実は私、予定日から3日遅れた時点でいや〜な予感がしておりました。
私の危機回避アンテナはその時点からバリ3だったので、
川崎様に遠回しに「詐欺だったら危ないから早めに連絡して」
メールをうったりしていたのですが、返信は来ませんでした。

川崎様は多分「なにあわててるんだ、うぜっ」くらいに思っていたんでしょうね。
キナ臭いニオイが漂って来てからも「もう少し待って見ます」とか言ってましたし。

甘い、甘すぎる!

深夜の渋谷センター街を札束ビラビラさせて練り歩いて、
無事に帰ることが出来る、と考えているようなものです。(行った事ありませんが、(笑))
多少の自己防衛があれば未然に防ぐことができたはずです。



ではどうすれば良かったのか?

○ 振り込む前に相手の情報を探る。
   住所は実在するのか、携帯以外の連絡先はないのか。
   
○ 車検証のコピーをFAXなり郵送なりでもらう
   車が実在しなければ送られて来ないし(詐欺決定)
   送られて来た車検証をみていろいろ調べる事もできる。

○ 現車の状態を見るためにも現地に赴くべきだった
   行けないような土地の車には手を出さない。

○ 登録書類一式を代引きで送るように提案してみる
   書類さえ押さえておけば半分自分のモノになったようなもの。


ほんの一例ですが予防策を施し、少しでも不審に思ったらやめる。
コレが鉄則です。

厳しい言い方をしますが、少しでも安くしたいというスケベ心と
自分だけは大丈夫的な甘さが招いた自業自得です。




つづく